潮の満ち引きってなに?

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潮の満ち引きがなぜ起こるのか、みなさまはご存知でしょうか。海遊びやサーフィン、釣りなど海に関するアクティビティもこの潮の満ち引きを知っているとより一層楽しめる様になるかもしれません。

・潮の満ち引きってなに?

海は1日に2回、約6時間ごとに満ちたり引いたり休むことなく繰り返しています。

これを潮汐(ちょうせき)と呼びます。潮汐は、月と太陽の引力によって引き起こされており、主に月の引力が海水に影響を与え、地球上の特定の地域で海面の上昇と下降を引き起こします。

 

この現象は、一日に約2回の満潮と引潮をもたらし、海岸線や港湾地域での水位の変動に影響を与えています。潮汐は、航海や漁業、エネルギー生産などのさまざまな人間の活動にも重要な役割を果たしています。


また、日本気象協会からも潮見表が発表されていますが、ここで使われている潮の満ち引きを表す用語は旧暦を用いた表現の仕方をしており、「大潮」「小潮」「長潮」「若潮」「中潮」この5つに分類されています。

大潮→潮汐の中で最も干満の差が大きい状態を指します。

 

つまり、満潮と引潮の水位の差が比較的大きい状態です。

 

大潮は、新月または満月の際に月と太陽の引力が強く作用し、水位の変動が最大限になるため、潮汐の幅が広くなります。

この時期には、海岸線や港湾地域での潮の上昇や下降が急速に起こり、水深の変化も大きくなります。

大潮の時期は、航海や漁業などの海洋活動において潮汐の変動を考慮する必要があります。
 

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小潮→上弦や下弦、いわゆる半月の時期で、潮汐の中で最も干満の差が小さい状態を指します。

 

つまり、満潮と引潮の水位の差が比較的少ない状態です。月と太陽の引力が相殺し合うことによって生じる小潮は、具体的には新月または満月の際に月と太陽の引力が同じ方向を向いて働き、水位の変動が抑制されるため、小潮となります。小潮の時期には、海岸線や港湾地域での潮の上昇や下降が比較的緩やかであり、水深の変化も少ない傾向があります。

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長潮→潮汐の周期が約14日で変化する現象を指します。

 

具体的には、満潮と引潮の水位の差が徐々に増加し、それから徐々に減少するパターンが繰り返されます。長潮の周期は月の満ち欠けと関連しており、新月または満月の時期から始まります。潮汐の幅は、長潮の時期には比較的一定ではありませんが、一般的には小潮と大潮の中間の幅を持ちます。長潮の周期は潮汐表や潮汐カレンダーで確認できます。

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若潮→潮汐の中で最も干満の差が小さい状態を指します。

 

つまり、満潮と引潮の水位の差が比較的少ない状態です。若潮は、新月の前後の期間に生じます。新月の時には、月と太陽の引力が同じ方向を向いて働き、水位の変動が抑制されるため、若潮となります。若潮の時期には、海岸線や港湾地域での潮の上昇や下降が比較的緩やかであり、水深の変化も少ない傾向があります。

 

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中潮→潮汐の中で干満の差が中間程度の状態を指します。

 

満潮と引潮の水位の差は、小潮よりは大きく、大潮よりは小さいです。中潮は、満月または半月の時期に生じ、この時には月と太陽の引力が比較的均衡して作用し、潮の幅も中間程度になります。海岸線や港湾地域では、中潮の時には潮の上昇と下降が穏やかに行われ、水深の変化も中程度になります。中潮の時期は、航海や漁業などの海洋活動においても比較的安定した潮汐状況となります。

 

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・潮汐とマリンスポーツについて

★サーフィン
潮汐は、サーフィンにとって非常に重要な要素です。潮汐の状況によって、波の形状やサーフィンの条件が大きく変わるからです。
潮汐の満ち引きによって波のサイズや形が変化しますので、一般的には満潮時には波が海岸に寄せられ、引潮時には波が引いていきます。

満潮時は波のサイズが大きく、引潮時は波が小さくなる傾向があります。また、特定の潮汐状況では波の形がよくなり、サーフィンに適した波が形成されることもあります。


サーファーの中には潮汐表や波予測を参考にしながら、理想的な波のコンディションを追い求める方がたくさんいます。たとえば、満潮から引潮への変わり目や、特定の中潮の時期に波が最も良いとされることがあります。また、地域によっても潮汐の影響は異なるため、現地のローカルな知識も重要です。


潮汐によって変動する波のコンディションを読み取り、適切なタイミングでサーフィンすることは、サーファーにとっては重要なスキルとなります!潮汐の理解と観察は、サーフィンの楽しみと波乗りのパフォーマンスを向上させるのに役立っているのですね。

★釣り
潮汐は釣りにとっても重要な要素です。潮汐の変化は、魚の活動やエサの移動に影響を与えるため、釣りの成功に大きく関わります。
魚の餌場や移動パターンについて、満潮時には魚が水深が深くなる場所に集まりやすくなります。引潮時には水深が浅くなるため、魚が沿岸や浅瀬に集まることが多いです。
 

釣りをする人は潮汐表や釣りの経験を参考にしながら、釣り場や釣りのタイミングを選ぶ方もいます。たとえば、満潮から引潮への変わり目や、特定の潮汐の状況で魚が活発になることがあります。また、潮汐の状況によっては、釣りの対象や釣り方も変えることがあります。
 

潮汐を理解し、釣り場の潮汐変化を観察することは、釣果を向上させるために重要と言えるでしょう!


★ヨットやセーリング
潮汐は航海スポーツにおいてもとても重要な要素です。
船舶の航行計画や航海安全において、潮汐の状況を正確に把握することが必要です。

 

潮流は、潮汐によって引き起こされる海水の流れのことを指します。潮流は船舶の進行方向や速度に影響を与えるため、航海者は潮流の情報を把握し、それに応じて航路や航行速度を調整します。潮流を利用することにより、船舶は効率的に進行することができきる様になります。


また、潮汐の変動は水深や水位にも影響を与えます。特に浅瀬や狭い水路では、潮汐の変動によって水深が変わるため、船舶の航行に影響を与えることがあります。

 

潮位の変動を把握し、浅瀬や水深の制約を常に頭に入れて航行する必要があるのです。潮汐表や潮汐予測を活用することで、潮汐の影響を事前に把握し、航海計画を立てることができます。


航海スポーツでは潮汐の状況によって航路や航行戦略が異なることがあります。一部の競技では、潮流を利用して速度や進路の戦略を立てることが求められます。例えば、帆船競技では潮流の利用が重要であり、適切な潮流を選択することで競技の結果に影響を与えることがあります。
潮汐の理解と予測は航海スポーツにおいて航海の安全性とパフォーマンスを向上させるために不可欠です。航海者は潮汐の変動を把握し、適切な航海計画や戦略を立てることで、航海スポーツの楽しみと成功を追求することができます。


 

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・潮汐に関する興味深いエピソード

★グレート・モンダヌーク
 カナダのノバスコシア州に位置するベイ・オブ・ファンディでは、世界でも最も大きな潮汐の差が生じます。この地域では、満潮と引潮の差が約16メートルにも達することがあります。これにより、海岸の景観や生態系に大きな影響を与えています。

★プンタ・デル・エステ
 アルゼンチンのプンタ・デル・エステでは、満潮時に海岸に現れる自然のプールが人気の観光スポットとなっています。この地域では、潮の干満によって形成される浅瀬が、訪れる人々に楽しい水遊びの場を提供しています。


★潮汐とSDGs
 潮汐のエネルギーは、持続可能なエネルギー源として注目されています。一部の地域では、潮の満ち引きを利用して発電所を運営し、再生可能なエネルギーを生み出しています。
わかりやすいものをいくつか例に挙げてみましょう。

1. 海洋生態系の保護と回復(SDG 14):潮汐は海洋生態系に深い影響を与えます。潮汐の変動は潮流や水の循環、海底の堆積物の移動などに影響を与えており、潮汐の理解は海洋生態系の保護や回復に重要な役割を果たします。

2. 水の持続可能な利用(SDG 6):潮汐は水の循環に関わります。海水の潮汐の変化は、水資源の供給や水域の管理に影響を与え、適切な水の利用と管理において、潮汐のパターンや変動を考慮することは重要と言えます。

3. 持続可能な都市とコミュニティ(SDG 11):沿岸地域では、潮汐の変動が都市やコミュニティの生活に影響を与えます。河口や港湾地域では、潮汐の変動によって浸水や水没のリスクが上昇することがしばしばあります。持続可能な都市計画や沿岸管理の中で、潮汐の予測や適切な対策が重要な要素となります。


これらは一部の例であり、潮汐の理解と適切な管理は、海洋と沿岸地域の持続可能な開発において重要な要素となります。


太陽と月の引力の相互作用によって引き起こされる潮汐は、私たちの生活や自然環境に深い影響を与えます。これを正確に理解し管理することは単にマリンスポーツを楽しむツールの一つだけではなく、海洋生物への影響やSDGsとも深く関連してゆきます。その理解と管理を追求していくことは、やがて私たち人間、ひいては地球全体をより良くする一歩になるのではないでしょうか。

 

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